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【第34話】契り

last update Date de publication: 2025-12-09 23:47:27
朝が来ていた。

どこまでも静かで、やけにやさしく、しかし乾いた朝だった。

琉苑は、薄く開いた瞼の裏に広がる、どこか焦げついたような肌の感触にまず気づいた。

首の裏。鎖骨のあたり。手首。背の一部。

火照っているというよりも、そこだけ空気の密度が違う。誰かの熱が染み残ったような、粘度のある疼き。

──昨夜のことを、思い出す。

押し倒され、拒んで、赦して、そして……泣きそうな声を聞いた。

シュアの震え。あの強い手が、壊す寸前で止まった瞬間。

そのすべてが、感触として皮膚に残っている。ひと晩経っても、消えていない。

寝台の右側は空だった。

そこに、シュアの姿はない。

整えられた寝具。きっちりと折られた毛布の端が、どこか不自然で、そこに手を伸ばすと冷たかった。

その冷たさが、あの竜が琉苑よりもずっと早く目覚め、そして部屋を出たことを意味していた。

琉苑は、静かに息を吐いた。

胸の奥に、ざらりとした感情が残る。

怯え、ではない。

けれど、それに似たざわめき。

昨夜のシュアは、怒っていた。

とても深く、鋭く。それが欲望に変わっていったとき、自分は確かに──一瞬だけ怖かった。

けれどそれ以上に、あの男
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